中3数学 多項式の計算と因数分解

目次

中3数学 第1章 多項式の計算と因数分解

中学3年生の数学で学習する「多項式の計算と因数分解」の単元の公式と基本例題をまとめました。

ここに掲載されている例題をすべて自力で解けるならば、この単元の基礎が十分に備わっていると言えるでしょう。

解答を見るを開くと、解説が表示されます。

多項式の計算と因数分解で用いる公式

公式を見る
因数分解の公式

補足説明

公式①~④は分配法則として覚えても構いません。⑤は展開の方法を示したもので、問題を解いて慣れましょう。

⑥~⑨は暗記しておいた方が便利です。⑦⑧は正負が入れ替わっただけですので、同じものとして暗記して構いません。

多項式の計算 基本例題

基本例題1 次の計算をしなさい。

右の番号は用いる公式の番号です。

(1)  -4a(2x+8y-z)  

解説を見る
-4a(2x+8y-z)=-8ax-32ay+4az 
(-5x-7y+3z)×(-2/3)
解説を見る
(-5x-7y+3z)×(-2/3)=10/3 x+14/3 y-2z
10/7÷(10x-5y)
解説を見る
10/7÷(10x-5y)=10/7×1/(10x-5y)
=10/(70x-35y)
=2/(14x-7y)
(4/3 x-2/7y)÷4/7z
解説を見る
(4/3 x-2/7y)÷4/7z=(4/3 x-2/7y)×7/4 z
=4/3 x×7/4 z-2/7y×7/4 z
=7/3 xz-1/2y z

基本例題2 次の式を展開しなさい。

(1)  (-0.7x-0.03y)(2a-0.5b) 

解説を見る
(-0.7x-0.03y)(2a-0.5b)=-1.4ax+0.35bx-0.06ay+0.015by

(2)  (3x+5y)(2x-y)  

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(3x+5y)(2x-y)=6x^2-3xy+10xy-5y^2=6x^2+7xy-5y^2
(4/3 x+3)^2
解説を見る
(4/3 x+3)^2=(4/3 x)^2+2×4/3 x×3+3^2=16/9 x^2+8x+9
(1/2 x-2/x)^2
解説を見る
(1/2 x-2/x)^2=(1/2 x)^2-2×1/2 x×2/x+(2/x)^2=1/4 x^2-2+4/x^2
(11/12 x+13/14 y)(11/12 x-13/14 y)
解説を見る
(11/12 x+13/14 y)(11/12 x-13/14 y)=(11/12 x)^2-(13/14 y)^2=121/144 x^2-169/196 y^2

多項式の計算 基本問題

公式を複数用いたり、別の文字で置いたりして解く

問題 次の計算をしなさい。

(1)  -3(x-4)(x+4)+7(x-3)^2

解説を見る
-3(x-4)(x+4)+7(x-3)^2=-3(x^2-16)+7(x^2-6x+9)
=-3x^2+48+7x^2-42x+63
=4x^2-42x+111

(2)  4(x-3)(x+2)-(x-9)(x+9)

解説を見る
4(x-3)(x+2)-(x-9)(x+9)=4(x^2-x-6)-(x^2-81)
=4x^2-4x-24-x^2+81
=3x^2-4x+57

(3)  (2x-y+3z)(2x-y-5z)

解説を見る
2x-y=Aとすると、
(2x-y+3z)(2x-y-5z)=(A+3z)(A-5z)
=A^2-2Az-15z^2
Aをもとに戻して、
A^2-2Az-15z^2=(2x-y)^2-2z(2x-y)-15z^2
=4x^2-4xy+y^2-4xz+2yz-15z^2
=4x^2+y^2-15z^2-4xy+2yz-4zx

(4)  (4a+3b-2c)(2a-3b+2c)

解説を見る
(4a+3b-2c)(2a-3b+2c)を変形して、
{4a+(3b-2c)}{2a-(3b-2c)}
3b-2c=Aとすると、
(4a+A)(2a-A)=8a^2-4aA+2aA-A^2
=8a^2-2aA-A^2
Aをもとに戻して、
=8a^2-2a(3b-2c)-(3b-2c)^2
=8a^2-6ab+4ac-(9b^2-12bc+4c^2 )
=8a^2-6ab+4ac-9b^2+12bc-4c^2
=〖8a〗^2-9b^2-4c^2-6ab+12bc+4ca

因数分解 基本例題

因数分解 → 式や値をかけ算で表す(式の展開の逆)

基本例題 次の式を因数分解しなさい。

(1)   ①

解説を見る
56xz-28yz+42z=14z(4x-2y+3)
(2)  -32/15x y-22/35x z  ④
解説を見る

(3)  4a^2+12ab+9b^2  ⑦

解説を見る
4a^2+12ab+9b^2=(2a)^2+2×2a×3b+(3b)^2
=(2a+3b)^2
9/16 x^2-15/2 xy+25y^2
解説を見る
9/16 x^2-15/2 xy+25y^2=(3/4 x)^2-2×3/4 x×5y+(5y)^2
=(3/4 x-5y)^2
196x^2 y^2-1/144 z^2
解説を見る
196x^2 y^2-1/144 z^2=(14xy+1/12 z)(14xy-1/12 z)

(6)  x^2-4x-32  

解説を見る
x^2-4x-32=x^2+(-8+4)x+(-8)×4
=(x-8)(x+4)

因数分解 基本問題

共通因数を探したり、文字で置いたりして解く

問題 次の式を因数分解しなさい。

(1)  -2x^2+8xy+90y^2

解説を見る
-2x^2+8xy+90y^2=-2(x^2-4xy-45y^2 )
=-2(x-9y)(x+5y)

(2)  (2x-4)(x+3)+19x-(x+9)(x+7)

解説を見る
(2x-4)(x+3)+19x-(x+9)(x+7)=2x^2+6x-4x-12+19x-(x^2+16x+72)
=2x^2-x^2+2x+19x-16x-12-72
=x^2+5x-84
=(x+12)(x-7)

(3)  x^2-8xy+16y^2-36z^2

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x^2-8xy+16y^2-36z^2=(x-4y)^2-36z^2
x-4y=Aとすると、
(x-4y)^2-36z^2=A^2-36z^2
=(A-6z)(A+6z)
=(x-4y-6z)(x-4y+6z)

式の計算の利用 基本例題

因数分解の公式を用いて解く

基本例題1 次の問題を工夫して解きなさい。

(1) 39^2 

解説を見る
39^2=(40-1)^2
=〖40〗^2-2×40+1
=1600-80+1
=1521

(2) 4.8×5.2 

解説を見る
4.8×5.2=(5-0.2)×(5+0.2)
=5^2-〖0.2〗^2
=25-0.04
=24.96

(3) 756^2-244^2 

解説を見る
756^2-244^2=(756+244)×(756-244)=1000×512=512000

基本例題2

x=52 ,y=24 のとき、次の式の値を求めよ。 3(x+2y)^2-(2x+4y)(x+4y) 

解説を見る
3(x+2y)^2-(2x+4y)(x+4y)=3(x^2+4xy+4y^2 )-(2x^2+8xy+4xy+16y^2 )
=3x^2+12xy+12y^2-2x^2-12xy-16y^2
=x^2-4y^2
=(x+2y)(x-2y)
=(52+2×24)(52-2×24)
=100×4=400

式の計算の利用 基本問題

問題1

x+y=7 ,xy=10 のとき、次の式の値を求めよ。  x^2-3xy+y^2

解説を見る
x^2-3xy+y^2=x^2+y^2+2xy-2xy-3xy
=(x+y)^2-2xy-3xy
=(x+y)^2-5xy
=(7)^2-5×10
=49-50=-1

問題2

連続する3つの偶数の積が8の倍数であることを証明しなさい。

解説を見る
連続する3つの偶数を、整数nを用いて、
2n-2 ,2n  ,2n+2
とすると、3つの数の積は、
2n(2n-2)(2n+2)
と表すことが出来る。これを解くと、
2n(2n-2)(2n+2)=2n(4n^2-4)
=8n^3-8n
=8(n^3-n)
nが整数より、n^3-nも整数であるから、
連続する3つの偶数の積は8の倍数である。
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